歯並びや、咬みあわせを改善する矯正歯科治療。歯科医院の約3割にあたる約2万施設が「矯正歯科」を掲げ、1割程度だった約20年前に比べて大きく様変わりしている。
今まで治療出来なかった一般歯科医院が続々矯正治療ができると標榜する???
厚生労働省の医療施設調査によると、「矯正歯科」を診療科に入れた歯科診療所は、1万9142施設(2005年)。1993年時点と比べて8058施設も増えた。歯科診療所全体は6万6732施設で、いまや約3割が「矯正歯科」の看板を掲げていることになる。
なぜこんなに増えているのか。ある歯科医はこう話す。
「患者サービス向上と収入増のため、むし歯治療などを行っている一般歯科のクリニックが診療科に、矯正歯科を加えているんです。そのために、院長自ら、矯正勉強会で技術を学んだり、大学の矯正学講座の卒後研修を終了した若い歯科医などを非常勤で雇ったりしています。」
ある矯正歯科クリニックが、一般歯科医向けに毎月開いている1日間の勉強会のキャッチコピーは、「こうすれば矯正は明日から導入できる」。
歯科医師は一般歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科のうちどれを外部に表示しようと法令上問題がない。しかし、患者としては、前日、勉強会を受けたばかりか、それとも優れた技術と経験をもっているか、知ったうえでかかりたいところだろう。
(読売ウィークリー 2008.8.17~24号 p10~p11より引用)
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